仏向街道 江戸時代初期の地図に三ツ沢から矢崎を通り、藤塚付近で東海道と合流する仏向街道があった。藤塚付近は仏向谷の標記もあり箱根に次ぐ往来の難所であった。権田坂の投げ込み穴は難所で倒れた人馬の死骸を投げ捨てたところである。
御内匠様 睦ケ丘の道端にある墓地の中に「内匠院殿霊元瑞大居士」という一基の石塔ある。何人の碑であるかは分からないが、塔は享保年代(江戸時代中期)に建立され、当時の土豪であったと思われる。旅人や里人は殿様の墓として祈願すると心身の不調はたちどころに治るとの信仰が厚く、線香や花などが供えられ今も続いている。
牛頭観世音 御内匠様の近くに牛頭観世音の石塔がある。大正9年火災で多数の牛が焼死し、その供養のために立てられた。全国には馬頭観音は多数あるが、牛頭観音は珍しい。牛頭天王、牛頭観音と睦の丘は牛に縁が深い。
山王社 睦から橘中学に向かう通学路の丘陵地に山王社がある。家康のころ江戸城鎮護の神として祀られ、かっては正福院の敷地内に管理されていた。大正時代現在の地に建て替えられ、内部には山王大権現薬師如来の木碑がある。キツネが守っているという不思議なゾーンであり、6月15日が祭日となっている。平成、18年宅地開発で姿を消した。
第六天 NTTタワーの近くに仏教で信奉する魔王の第六天が祀られていた。他人の楽しみを自分の楽しみに変える魔の首領であるが鎌倉時代除災招福、家内安全、五穀豊穣を願う福神として民衆に広まった。古くは元仏向付近から移設されたものだが、平成17年、宅地開発で姿を消した。
睦ケ丘の庚申塔 青面金剛と三猿を刻んだ庚申供養の石碑ある。庚申の夜に寝ると人の腹の中にいる三匹の虫が抜け出し、昇天して天帝に人の罪過をつげ命をうばわれると信じて、その夜は塔の前で寝ずに過ごした。今では健康長寿と豊作を祈る神として親しまれている。